人形劇の舞台用語
演技者に関する用語
川尻泰司は、ひとつの芝居の中で、複数の構造の人形を登場させることで、あたらしい人形劇世界を創り出した。それまでの人形劇は、糸あやつり人形は、糸あやつり人形だけで、手づかい人形は、手づかい人形だけで、舞台を構成することが常識であった。
「これからの現代人形劇の人形つかいは、ひとつの構造の人形の操作に熟練するだけではなく、いくつもの構造の人形劇の操作術を、ものにしなければ務まらない」というのが、川尻の主張でもあった。今日では、この主張を川尻がしたということさえ忘れられるほど、人形劇人にとっては、当たり前のこととなっている。
演技者が着用する黒ずくめの衣裳。または、黒衣を着た演技者。<頭巾>のことを、<黒衣>と呼ぶことがあるが誤用である。
黒衣を着た演技者。<介添え>のことを呼ぶ場合もある。 (→ 介添え)
手元を目立たなくするために、演技者が身につける長めの手袋。
黒子が顔を隠すための黒い頭巾。前面は透けて見える薄い布で、視界を確保する。
顔全体を隠す頭巾。顔を覆う前面の布は、後頭部の布よりも、長めにしてあるのが特徴。これは、ノドの部分を隠すとともに、動きやすくする工夫がしてある。
顔の上半分を隠すだけの頭巾。出づかいの舞台でも、演技者の表情を目立たなくするために使われることもある。演技者の目の部分を隠すだけで、観客から目立たなくさせる効果がある。
人形の見つめている視線の方向。
人形と人形が、目を合わせて話し合っているとき、それぞれの人形の〈目線〉が合っていなければならない。人形をつかうとき、人形自身が、目線を合わせられないので、常に意識をして、操者によって目線を合わせることが、人形劇では重要な点である。
人形劇の場合、舞台人形が自身で、物を持ったり、渡したりできないときなどに、操作の補助をすること。または、それをする人。
〈介添え〉のこと。(→ 介添え)
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