◆ 舞台制作 ◆

戯曲 (ぎきょく) plays

劇作家によって執筆された、 セリフやト書きの書かれた文学作品。
〈戯曲〉と表現されるときは、文学作品として、読むことが目的という意味合いで使われる。 〈戯曲〉〈脚本〉〈台本〉は、同じように思われるが、使われる意味合いが異なる。

脚本 (きゃくほん) screenplay

中身は〈戯曲〉と同じもの。上演することになった段階で、〈脚本〉と呼ばれることが慣習となっている。

台本 (だいほん) script

〈脚本〉という場合もあるが、厳密にいうと、上演のために印刷された脚本のことは〈台本〉と呼ぶ。キャスト、スタッフが、書き込みができるように、上部に余白を空けて、編集されている。

脚色 (きゃくしょく) 

原案、原作のあるものを上演のために執筆する作業。

改色 (かいしょく) 

すでに脚本になっているものを、大幅に書き直すすること。

潤色 (じゅんしょく) 

すでに脚本になっているものを、手直し程度に改色すること。

ト書き (とがき) 

〈脚本〉のセリフ以外の記載で、説明や指示の書いてある部分。少し下げるなどして、セリフと紛れない工夫がしてある。

演目 (えんもく) 

上演作品の題名のこと。

レパートリー (れぱーとりー) 

上演する出し物、演目。あるいは、劇団が上演できる作品群のこと。

 


舞台制作の役割

キャスト (きゃすと)

人形劇を演じる者のこと。登場人物のこと、またはそれを担当する人。人形劇の場合、擬人化された動物や物が登場することが多いので、脚本には〈でてくるもの〉と表記されることも多い。

でてくるもの/出てくるもの (でてくるもの)

人形劇特有の言葉。演劇でいう登場人物のことだが、人形劇の場合、擬人化された動物や物が登場することが多いので、脚本には〈でてくるもの〉と表記されることも多い。

スタッフ (スタッフ) 

舞台上演に携わる、キャスト以外の者のこと。

裏方 (うらかた)

上演の際、舞台上のことに関わるスタッフ。

表方 (おもてかた)

上演の際、舞台上のことに関わる以外のスタッフ。

演出/演出家/演出者 (えんしゅつ/---・か/----・しゃ) director

上演の準備段階で、台本をもとに、キャスト、スタッフを指揮して、 作品全体を創り上げることを〈演出〉という。 その役割を担当する者を〈演出家〉という。

舞台監督/舞監 (ぶたい・かんとく/ぶかん) stage manager

舞台上の段取りを指揮する責任者。上演の準備段階では、演出の指揮の下、段取りを計画し、スタッフ、キャストに指示をする。上演後は、通常、演出はいないので、すべての指揮を担う。

人形美術/舞台美術 (にんぎょう・びじゅつ/ぶたい・びじゅつ) 

人形、舞台の美術デザインを担当する者。両方を担当する場合は、〈美術〉と表記する。

舞台平面図 (ぶたい・へいめんず)

舞台装置の平面図。舞台上から俯瞰したもの。

舞台立面図 (ぶたい・りつめんめんず) elevation

舞台装置の立面図。舞台正面から見たもの。

エレベーション (えれべーしょん) elevation

舞台装置の立面図。

付帳 (付け帳) 

上演に携わる各担当者が、使用する必要なもの記入した一覧表。人形帳、小道具帳、大道具帳などがある。付帳は、忘れ物をしたり、紛失することを防ぐのに重要なものである。

音響効果 (おんきょう・こうか) 

音響効果のプランをを担当する者。〈音楽〉も兼務する場合もある。

音楽 (おんがく) 

作品の背景音楽や、効果音楽のこと。または、楽曲を作曲・作詞したり、選曲を担当する者。

照明 (しょうめい)

照明のプランを担当する者。 

制作/プロデューサー (せいさく/ぷろでゅーさー) producer

上演の最高責任者。キャスト、スタッフの選定を行い、舞台上のこと以外の段取り、手配を行う。人形劇団の場合、プロ・アマを問わず、これらのことは劇団の総意で行われ、事実上は営業・渉外の責任者という場合もある。

映画では、〈製作〉が使われる。

 


稽古・上演

上演 (じょうえん)

人形劇を観客の前で発表すること。 

稽古 (けいこ) 

上演のために練習すること。

本読み (ほん・よみ) 

キャスト・スタッフが集めて、上演のための脚本が決まった後、台本を読み上げること。読み上げる際は、感情を入れないでセリフが読まれる。全文なので、タイトルやト書きも読まれる。

本来は、脚本家が朗読しながら、注文を出していくが、演出家が朗読することも多い。アマチュアの場合は、適当に配役を割り当てて、読み進めることが多い。

演出会議 (えんしゅつ・かいぎ) 

脚本家が朗読するだけでなく、関係者を集め、〈演出〉が、それぞれの担当に注文を出しながら、具体的に作品をどのように創っていくかを話し合う会合。

読み合わせ/テーブル稽古 (よみ・あわせ/てーぶる・げいこ)

セリフのみの稽古。 

素げいこ/素稽古 (す・げいこ) 

人形の製作に時間を要するので、その間、人形の代わりに演技者が人形の動きを行いながら稽古すること。

立げいこ立稽古 (たち・げいこ) 

実際に人形を操作しながら行う稽古。人形の製作が間に合っていない場合は、代わりの人形を使って行う場合もある。また、舞台装置の製作ができていない時は、セットなしで行う場合もある。

素立 (すだち) 

舞台装置なしで行う〈立ち稽古〉のこと。

総げいこ/総稽古 (そう・げいこ) 

照明以外のすべてが参加して行う稽古。

転換げいこ/転換稽古 (てんかん・げいこ) 

場面転換の部分を抜き出して行う稽古。人形劇の場合は、キャスト、スタッフの区分がないことが多いので、それぞれの役割分担がスムーズに行くように稽古する。特に、〈明かる転〉の芝居の場合は、舞台転換のできが作品の成否につながる。

舞台げいこ/舞台稽古 (ぶたい・げいこ)

観客が入っていないだけで、本番と同じように上演してみる稽古。したがって、芝居の進行は原則止めない。

抜きげいこ/抜き稽古 (ぬき・げいこ)

舞台げいこで問題のあった部分だけを、抜き出して行う稽古。

舞台げいこでない、ほかの稽古のときにも行われる。 

初日 (しょにち) 

最初の上演日。

千秋楽/楽日 (せんしゅうらく/らくび)

公演最終回の上演日。 

本番 (ほんばん)

〈初日〉のこと。または、観客を前に上演すること。 

 


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