◆ 演出技法よる分類 ◆

映像の人形劇

人形劇映画 (にんぎょうげき・えいが) 

舞台人形の上演を映像にしたのが、人形劇映画。劇場映画としては、多くの作品があるが、ストップモーションの人形アニメに比べれば数が少ない。
 テレビ映像としては、NHKが18時台に長期にわたって放送していたので、よく知られるようになった。
 海外では、人形操者がセリフも同時に演ずるが、日本では、声優の録音に合わせて演じられるのが特徴である。創成期、マイクの性能が未発達であったため、人形操者のセリフを拾うのに難があったための手法であるが、テレビ人形のスタイルとして定着してしまったと思われる。

川本喜八郎「花折り」
太郎座「黒姫物語」

川本喜八郎「花折り」
NHK「ひょっこりひょうたん島」

人形アニメーション (にんぎょう・あにめーしょん) 

人形を素材にストップモーション(コマ撮り)で撮影された映像作品で、人形劇には分類しない。

作家としては、チェコのイジー・トルンカが、先駆者として大きな影響を与えた。トルンカに学んだ、川本喜八郎は、日本の人形アニメの先駆者で、「花折り」は初期の作品である。
 粘土を素材にしたストップモーションのクレイアニメがあるが、人形アニメとは区別されている。

イルジー・トルンカ「デカメロン」
イジー・トルンカ「デカメロン」

川本喜八郎「花折り」
川本喜八郎「花折り」

 


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 参考文献
「人形劇入門」 南江治郎 1976(1969)